鎌倉寺社めぐり

鎌倉建長寺

日本最初の禅宗寺院。禅宗に深く帰依していた北条時頼が宋朝からの渡来僧・蘭渓道隆を開山に迎え、建長五年(1253)に年号の名を冠し建長寺として建立。「境内及び庭園」は国の史跡・名勝に指定されています。臨済宗の大本山である建長寺は、宋の地の厳格な全の様式を取り入れ1000人を超える修行僧を当時抱えるほどの規模でした。

その修行の厳しさを例えて、美しく掃除されていることを「建長寺の庭を竹ぼうきで掃いたよう」というそうです。

上の写真は1775年に再建された「山門」。重層門で扁額の文字は後深草天皇の筆と伝えられています。

山門を過ぎると仏殿、その背後には法堂があり千手観音が祀られています。半僧坊に上がると、建長寺の境内全体を俯瞰できます。総門・三門・仏殿・法堂が直線的に並ぶ伽藍は宋時代の禅林風を取り入れていれた美しい作りです。

建長寺の詳細

JR東海道線大船駅乗り換え、JR横須賀線北鎌倉駅より鎌倉駅方面に向かって徒歩約20分 またはJR横須賀線鎌倉駅より北鎌倉に向かって徒歩約30分

鎌倉建長寺
住所 神奈川県鎌倉市山ノ内8
電話 0467-22-0981
拝観料金 大人300円小学生100円
拝観時間 8時半から16時半
本尊・寺宝 地蔵菩薩・木造北条時頼坐像
行事 11月2日~4日けんちょう祭り。建長寺半僧坊節分会など。座禅会は随時行われています。
みどころ 秋の紅葉は北鎌倉有数の名所。半僧坊からの眺めや、法堂の周囲も11月中旬から12月にかけて朱色に染め上げられる。蘭渓道隆作の方丈庭園も禅の世界を表現し見るべきポイント。
駐車場・アクセス 電話番号0467-22-0981 30台 営業時間 8:30-16:30 料金 1時間¥600 バス1時間¥2000

建長寺はとにかく広い!近くにもお寺が多数ありますが、建長寺をみるだけで一日が過ぎてしまうほど壮大です。歩くのでヒールの靴はやめたほうがベターです。

建長寺周辺の駐車場

建長寺の駐車場は

北鎌倉から歩いてきてもすぐ着きますよ。

建長寺の歴史

建長寺は、熱心な仏教信者で禅宗に深く帰依する鎌倉幕府第5代執権北条時頼により創建されたお寺。その造営は、建長元年(1249)頃より始められ、建長五年(1253)に完成、開山に宋朝から渡来した蘭渓道隆を師として迎え、落慶供養が営まれた。お寺の山号は前を横切る「巨福呂坂(こふくろさか)」に、寺名は「年号の建長」からとり、巨福山建長興国禅寺と命名。建長寺の境内が広がる谷(やつ)は、「地獄ヶ谷」と呼ばれた元処刑場で、地蔵菩薩を本尊とする伽羅陀山心平寺という寺跡。

この因縁で、建長寺の本尊は禅宗寺院が本尊とする釈迦如来でなく、地蔵菩薩となり、今も心平寺の地蔵菩薩像が建長寺に伝来している。開山後も北条氏の保護が厚く隆盛を誇り、鎌倉時代末期には、山門、仏殿、庫裡、僧堂、衆寮、その他が回廊で結ばれる中国径山万寿寺(きんざんまんじゅじ)を模した大陸風の大伽藍が築かれた。また、最盛期の塔頭(高僧の德を慕って墓の脇に構える寮舎)は四十九院を数えたが、現在は境外塔頭を含め十二院を残すのみとなっている。建長寺の伽藍は、正応六年(1293)四月十二日に発生した鎌倉大地震により大半が倒壊、炎上。その後も再建するが、続く正和四年(1315)、応永二十三年(1416)をはじめとするたびたびの火災で創建当初の建物は全て失われた。現存する建物は江戸時代に入り、沢庵和尚の進言などにより徳川家の援助で主要な建物の再建や他所からの移築で復興されたものである。しかし、これも大正十二年(1923)の関東大震災で大きな被害を受けている。鎌倉五山第一位に列せられる臨済宗建長寺派大本山。本尊は地蔵菩薩。

※初代住持 蘭渓道隆(大覚禅師)来歴

 蘭渓道隆は中国南宋の禅僧で寛元四年(1246)、三十三歳で来日。九州、京都を経て宝治二年(1248)に鎌倉入りするも、建長寺の創建まで、鎌倉市大船に現存する常楽寺に住した。蘭渓道隆は、中国宋時代の純粋禅を受け継いだ厳格な禅風をそのまま建長寺に持ち込み、自ら書き起こした「法語規則」(国宝 寺に現存)をもとに千人を越えた修行僧を指導。それによると座禅は一日九時間、歩行中の声や足音には罰則が与えられるなど、細かい規則が定められている。寺の厳格さを言い当てた表現として、掃除が行き届いていることを「建長寺の庭を竹箒で掃いたよう」という。蘭渓道隆は弘長二年(1262)に京都の建仁寺に移るが二年後、鎌倉に戻り建長寺住持に復帰。その後、文永の役(一度目の元寇)の際に間諜の疑いをもたれ、甲斐国(山梨県)に流されたが、後に許され鎌倉に戻る。弘安元年(1278)四月に建長寺住持に再度復帰するも、同じ年七月二十四日に建長寺で示寂、六十六歳の生涯を閉じた。示寂した蘭渓道隆は後宇多天皇より日本最初の禅師号となる「大覚禅師」を賜る。

建長寺の説明・概略まとめ

建長寺が所在する鎌倉市山ノ内は、北条氏が所領とした大船から戸塚を含む広大な「山内莊」と称した地域の南端で、鎌倉の中心部から山一つ北に隔てた鎌倉の出入り口を護る要衝の位置にある。 JR横須賀線北鎌倉駅より鎌倉街道を鎌倉方面へ500m進み、JRの踏切を渡り更に550m程進む先の巨福呂坂の左脇に臨済宗五山第一建長寺と刻む石柱が立つ外門に着く。

外門内の駐車場の奥左に総門があり、寺はそこから奥に細長く広がる。寺は、総門を入ると、楼上に五百羅漢像を安置した三解脱門、略して三門(山門)があり、その先に本尊地蔵菩薩を祀る仏殿、法堂、方丈がほぼ直線となる伽藍配置となっており、創建当時の面影を残すが、建物は後代の再建や由緒ある移築建物である。

三門右手には北条時頼の寄進で作られた蘭渓道隆の銘文が浮き彫りされた国宝の大きな梵鐘がある。法堂の左側参道を進むとその先に唐門があり、ここをくぐると方丈があり、方丈の裏手には蘭渓道隆の作といわれる名勝史跡の庭園が広がり、右脇に得月楼が立つ。庭園には心字の池があり花の時期はショウブ、スイレン等の草花が彩りを添える。また、更にその奥の山中には、建長寺の鎮守である半僧坊権現が祀られている。

寺内に現存する塔頭のうち、妙高院、龍峰院は観音霊場巡りの巡礼者のみ入れ、他の塔頭は原則非公開となっている。長い歴史を誇るこの寺には、見聞きすべき価値あるものが数多く残されており、鎌倉歴史巡りには欠かせない名跡である。

建長寺御朱印種類 リスト

建長寺御朱印のリストです、とても数が多いです。

  • 本尊地蔵尊
  • 釈迦牟尼佛
  • びんずる尊者
  • 千手観音(鎌倉三十三観音霊場 第二十八番)
  • 心平地蔵尊(鎌倉二十四地蔵 第九番)
  • 済田地蔵尊(鎌倉二十四地蔵 第十番)
  • 建長寺半増坊の御朱印リストです

  • 半僧坊大権現
  • 勝上ケン地蔵尊(鎌倉二十四地蔵 第十一番)
  • 建長寺見どころ

    ・総門 後土御門天皇によって建立された皇室ゆかりの寺院である京都の般舟三昧院(はんじゅざんまいいん)から昭和十五年(1940)に移築。建物は天明三年(1783)の建立。総門に掲げられる「巨福山」の額は、建長寺十世住持、渡来僧 一山一寧禅師の書と伝えられ、字に安定感をもたらすとして「巨」字の第三画目の下に、「点」が書き加えられている。

    ・建長寺山門(三門)安永四年(1775)の上棟で、平成十七年(2005)に重要文化財に指定。一般の禅宗様式と異なり、各種部材が太く豪快な作りが特徴。上層内部には宝冠釈迦如来像を中心に十六羅漢像、五百羅漢像(銅造)などが安置されているが、残念なことに非公開。

    ・仏殿 芝の増上寺、徳川秀忠夫人崇源院(お江の方)の霊屋(たまや)建て替えで譲渡されたものを正保四年(1647)に移築。霊廟建築のため、一般的な禅宗の仏殿とは異なり、屋根が寄せ棟造りとなっている。堂内には、元この地にあった心平寺の地蔵菩薩坐像を本尊として安置するほか、千体地蔵菩薩立像、千手観音坐像、伽藍神像などが安置されている。

    ・仏殿前のビャクシン古木 蘭渓道隆が手植えしたと伝わる創建当初から残る樹齢750年のビャクシン古木7本。ビャクシンが植えられる仏殿前は、宋の禅寺庭園様式を今に伝える。

    ・法堂 寺院の「講堂」に相当する建物で、入母屋造、方三間、裳階(もこし)付き、銅板葺きで文政八年(1825)に竣工。堂内中央に法座があり、奥に千手観音坐像が安置される。天井に小泉淳作筆の雲龍図があり、鎌倉最大級の木造建築で平成十七年(2005)に重要文化財に指定

    ・唐門 正保四年(1647)に、仏殿と同じく芝の増上寺、徳川秀忠夫人崇源院の霊屋(たまや)からのものを移築。桃山風(ももやまふう)向唐破風(むこうからはふ)という、日本の屋根建築様式で作られた漆塗りの四脚門。平成二十三年(2011)に大修理が終了し移築当時の姿に再現された。

    ・方丈 総門と同じ京都の般舟三昧院(はんじゅざんまいいん)から移築されたもので、「龍王殿」 とも称する。元は皇室のお位牌安置所として建てられたもの。

    ・得月楼 建長寺創建750年の慶讃で建長寺庭園の右脇に中国の園林を模して590年ぶりに復興され  た二階建の楼閣風建物。

    ・梵鐘 山門右手の鐘楼にかかる1.2mの梵鐘。建長寺創建当時の数少ない遺品の一つ、建長七年(1255)鋳物師 物部重光の制作。銘は蘭渓道隆が撰し、筆を執ったもので、文字は陽鋳(字形が彫り込まれるのではなく立体的に浮き出している)となっており、国宝に指定。

    ・半僧坊 境内の一番奥、山の中腹にある建長寺の鎮守で、静岡の方広寺から勧請した半僧坊大権現が祀られている。火除けや招福に利益があり、坊へ上る石段途中の天狗の像が霊験あらたか。絶景なので、GoProなどで撮影すれば非常に美しい景色をとらえることができそう。

    ・寺宝 絹本淡彩蘭渓道隆像、文永八年(1271)に描かれた蘭渓道隆の肖像画、絵の上部に書かれる賛は蘭渓道隆の自筆。大覚禅師墨跡 法語規則(蘭渓道隆自筆)が国宝に指定。その他多くの文化財を蔵しているが、一部は鎌倉国宝館で展示するほか、例年十一月三日前後三日間行われる「宝物風入れ」行事の際、寺内で公開される。

    ・点心庵で一服

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